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愛車を長持ちさせる洗車のコツ

バイクを洗う

洗車はメンテナンスの第一歩

バイクを洗車することは、単に見た目をきれいにするためだけの作業ではありません。実は、洗車こそが最も基本的かつ効果的なメンテナンスの第一歩なのです。普段バイクに乗っているだけでは気づかないような小さなトラブルも、自分の手で愛車に触れ、隅々まで観察することで発見できることが多々あります。

例えば、ホイールを洗っているときにタイヤに刺さった釘を見つけたり、エンジン周りを拭いているときにオイルの滲みに気づいたりすることがあります。他にも、ボルトやナットの緩み、チェーンのたるみ、ワイヤー類のほつれなど、放置しておくと走行中に大きなトラブルにつながりかねない不具合を、初期段階で見つけることができるのが洗車の大きなメリットです。

また、泥汚れや虫の死骸、ブレーキダストなどを放置しておくと、塗装面を傷めるだけでなく、金属パーツのサビの原因にもなります。特に雨の中を走った後や、海沿いをツーリングした後は、水分や塩分が各部に付着しています。これらは金属にとって大敵であり、急速に腐食を進行させてしまいます。こまめに洗車をして汚れを落とすことは、愛車の美観を保つだけでなく、各パーツの寿命を延ばし、結果としてバイクを長持ちさせることにつながるのです。「洗車は愛車との対話」という意識を持ち、汚れを落としながら各部の健康状態をチェックする習慣をつけるとよいでしょう。

洗車の基本的な手順と注意点

バイクの洗車にはいくつかの基本的な手順と、やってはいけない注意点があります。まず準備として、マフラーやエアクリーナーの吸気口、鍵穴などの水が入っては困る場所に、養生テープやビニール袋を使ってマスキングを行います。電気系統やエンジン内部に水が侵入すると、故障の原因になる可能性があるからです。

最初はいきなりスポンジでこするのではなく、全体に優しく水をかけて、表面に乗っている砂やホコリを洗い流します。乾いた状態や砂がついた状態でいきなりこすると、砂粒で塗装面をヤスリがけするようなことになり、かえって傷をつけてしまいます。高圧洗浄機は便利ですが、シールチェーンのOリングを傷めたり、電装系に水を押し込んでしまったりするリスクがあるため、使う場合は距離を離して、デリケートな部分には直接当てないように注意が必要です。

汚れを浮かせたら、バイク用のシャンプーを泡立てて、柔らかいスポンジで優しく洗っていきます。このとき、タンクやカウルなどの塗装部分を洗うスポンジと、ホイールや足回りなどの油汚れがひどい部分を洗うスポンジは分けるのが鉄則です。足回りの油汚れや砂利がついたスポンジでボディを洗うと、傷だらけになってしまいます。洗う順番は、高いところから低いところへ、が基本です。洗い終わったら、泡が残らないようにたっぷりの水ですすぎ流します。洗剤成分が残っていると、それがシミやサビの原因になることがあるので、入り組んだ部分もしっかりと流しましょう。

仕上げの拭き上げと注油が重要

水で汚れを流して終わりではありません。洗車後の拭き上げと注油までがセットです。水道水にはカルキなどの成分が含まれており、濡れたまま自然乾燥させると、水分が蒸発した後に白い輪っかのような「イオンデポジット(水垢)」が残ってしまいます。これは一度ついてしまうとなかなか落ちない頑固な汚れとなるため、洗車後は速やかにウエスやセーム革で水分を拭き取ることが重要です。

特にエンジンのフィンや、ボルトの頭のくぼみ、スイッチボックスの隙間などは水が溜まりやすいので、車体を少し揺らしたり、ブロワー(送風機)を使ったりして、念入りに水気を飛ばしましょう。完全に乾かした後は、洗車によって流れ落ちてしまった油分を補給する必要があります。チェーンへの注油はもちろんですが、可動部であるステップの軸や、ブレーキレバー・クラッチレバーのピボット部、サイドスタンドの付け根などにも潤滑剤を差しておくと、スムーズな操作感を維持できます。

最後に、塗装面にはワックスやコーティング剤を塗布しておくと、艶が出るだけでなく、汚れがつきにくくなり次回の洗車が楽になります。また、未塗装の樹脂パーツが白っぽくなっている場合は、専用の艶出し剤を使うと黒さが蘇り、バイク全体が引き締まって見えます。ここまで手をかけることで、バイクは見違えるようにきれいになり、次のツーリングへの気持ちも高まるはずです。きれいなバイクに乗ることは、ライダーの心を整え、安全運転への意識を高める効果もあると言えるでしょう。