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横風の対処法を知っておこう

トラックの横風は怖い

バイクに乗っていて怖いのが、トラックの横風だ。
特に高速道路を走っているときなど、大型トラックの横をすり抜けたときに、思わぬ強風に煽られて恐怖した経験を持つライダーは少なくないだろう。
トラックに限らず、車もバイクも走るときは空気の塊にぶつかり、それを突き破るような感じで走る。
そのとき、車体に沿って空気がきれいに後ろに流れてくれれば問題ないが、現実には風は車体に近い場所でほど渦を巻く性質がある。
しかも、その渦は車体に対して進行方向とは逆の向きになるのだ。

圧力の高い方から低い方に引き寄せられるのは、気体も固体も変わりない。
そのため、進行方向と逆向きに渦を巻く風にバイクで近づくと、圧力の低い方に吸い寄せられてしまうのである。
大型トラックの横を追い抜くときに吸い込まれそうになるのはこうした理由があるからだ。

横風が吹くのはトラックだけではない

バイクで走っていると、トラック以外にも横風の強いところはたくさんある。
風を遮るものがないだだっ広い平地はもちろんだが、風の集まる谷あい、トンネルを出た瞬間、高い橋の上など、急に強い横風を受けてハンドル操作を誤りそうになるので注意したい。

常に同じ向きに一定の強さで吹いているのであれば強風にも対処しやすいが、自然の風は向きも強さも頻繁に変化する。
それゆえ、なかなか対処しづらいのがライダーを悩ませるところだ。

横風への対処方法

そのような変化の激しい横風に対処するための方法を考えよう。
最も効果的なのは、やはり上体を低くして風の抵抗を減らすことだろう。
上体を低く、つまり前傾姿勢を取ると、風の当たる面積が小さくなるから空気抵抗もその分当然少なくなる。

前方からの強風では誰もが自然に取る姿勢だろうが、この姿勢は横風対策にも有効だ。
上体を低くするほど体とバイクが重なる部分が大きくなるので、横風を受ける面積も少なくなるからだ。
ただし、上体を低くするといっても、単に猫背になるのではないことに注意したい。
上体を低くするには、通常より後ろの方に腰を据え、胸とタンクが接するようなつもりで上体を傾ける。
その際、背中はなるべく伸ばすようにするのがコツだ。

加えて、目線も大切である。
上体を低くすると上目遣いになってしまいがちだが、顔はあくまでまっすぐ前方に向ける。
なるべく遠くに視線を向けることを意識してみよう。
視野も広がり強風でも運転しやすくなると感じられるはずだ。

また、上体を低くする際、膝でタンクを挟み込むことも忘れないようにしたい。
全力で挟むのではなく、7割程度の力で挟み込む。
強風に煽られたときのために余力を残しておくのだ。
そもそも常に全力で挟んでいたら、疲れてしまって長時間乗っていられない。
ほどよく脱力して、風の強さに合わせて力を出せるようにしておこう。